暴帝の訓練場
コロシアムへの道程は既に開かれていた。 迷宮変動によって発生した追加の通路。 その奥からは遠く人々の歓声が谺する。 あたかも宮廷を待ち受けるが如きその様相に、配下たちは恐れ慄いた。
小鬼は資源である。 資源とはパワーである。 我々は無数に発生する小鬼をローマ式練兵術によって鍛え上げ、無敵の軍勢を作り上げる。 つまり、無敵の小鬼である。 ――――マクシマス三世
我々こそが何がローマかを裁定するのだよ。 すなわち。 すなわち我々こそが。 すべてのローマの祖、精髄なるものと言っても過言ではない。 ――――元老院、語る
かつて世界は一つのローマだった。 お前たちはローマだった。 しかし栄光のローマもいまや幾つもの小国に別れ、更には有象無象に食い散らかされる供犠の羊に他ならない。 だがお前たちはそうではない。 何故ならばお前たちはローマだからだ。 神聖にして絶対…